スウェーデンの絵本『フィンダスのきつねがり』
- 2015/05/28
- 10:10
本屋開業準備中のkobaです。スベン ノルドクビスト『フィンダスのきつねがり』。フィンダスのきつねがり (フィンダス絵本シリーズ) - ペテルソンおじさんと猫のフィンダスは、農家に住んでいます。ある日、近所のグスタブソンさんがやってきました。ニワトリ小屋が襲われたので、キツネ狩りに行くと言うのです。なんとかキツネを撃たずにやっつけようと、おじさんとフィンダスは、とてもうまいやり方を考え出しました。いろいろな...
すごーく細かい注釈付き小説
- 2015/05/26
- 10:39
本屋開業準備中のkobaです。ニコルソン・ベイカー『中二階』(白水uブックス)。中二階 (白水Uブックス―海外小説の誘惑) - 昼休みの直前に、靴紐が切れた主人公の男。彼は昼食をとるついでに、近所で靴紐を買って戻ってくる。そしてエスカレータにのって、中二階にある自分のオフィスへ向かう……。なんと本書に描かれているのは、このエスカレータに乗ってから、中二階につくまでに男が考えたことだけ!なのです。そのわずか数十秒の...
猫文学の贈り物
- 2015/05/25
- 10:48
本屋開業準備中のkobaです。富士川義之・編『猫物語』(白水社)。猫物語 - チェーホフ、コレット、カレル・チャペック、カルヴィーノら、猫に魅せられた世界の文学者による、13の短編アンソロジーです。猫好きにはたまらない本、と言いたいところですが、可愛い猫の話と思って読んだら、きっとショックを受けるでしょう!どの話にも共通しているのは、猫の持つ、「不思議さ」、もっと言えば「不気味さ」といってもいいかもしれませ...
巖谷國士『ヨーロッパの不思議な町』
- 2015/05/20
- 10:13

本屋開業準備中のkobaです。巖谷國士『ヨーロッパの不思議な町』(ちくま文庫)。ブダペストから始まり、ヘルシンキやプラハ、ピサ、バルセロナ、デルフト、ミュンヘン、ウィーン……。著者が1970年代から80年代の間に実際に訪れた地域の特徴を、様々な芸術作品とからめて語っています。大都市から田舎の小さな町まで、どの町も「不思議な」魅力を感じさせてくれます。民主化以前の東欧の雰囲気や、どこからともなく広場に集まってくる...
『本は、これから』
- 2015/05/18
- 20:42

本屋開業準備中のkobaです。池澤夏樹・編『本は、これから』(岩波新書)。本とはいったいなんなのか。本をめぐる環境はこれからどうなるのか。様々なジャンルで活躍する識者たちが、自身の本への思い、関わり方などを通して、本の未来を語る一冊。刊行された2010年時の空気の通り、「紙の本と電子書籍の関係」といった構図で書かれています。主な書き手は以下の通り。池上 彰、上野千鶴子、内田 樹、紀田順一郎、五味太郎、鈴木敏夫...
『世界が認めた和食の知恵』
- 2015/05/12
- 14:13

本屋開業準備中のkobaです。持田鋼一郎『世界が認めた和食の知恵 マクロビオティック物語』(新潮新書)。近年、ユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、ホットな「和食」。低カロリーでヘルシーというイメージから、海外でもブームが続いています。本書は「和食」と大きくうたっていますが、実際には「マクロビオティック」についての歴史が書かれています。今でこそ当たり前のように見聞きするようになった「マクロビ」ですが、...
群ようこ『衣もろもろ』
- 2015/05/09
- 17:33

本屋開業準備中のkobaです。群ようこ『衣もろもろ』(集英社)。タイトルでわかる通り、主に「衣」をメインにしたエッセイです。年を重ねるにつれて、だんだんと自分に合う服がわからなくなってきた群さん。でもどうやらそれは少女時代からのコンプレックスでもあるようで……。流行を追い求める風潮や若作りを意識しすぎる人々、また企業の宣伝の巧みさ、などに苦言を呈しながら、オシャレの放浪旅は続きます。こんなに悩むなら、いっ...
長田弘『ねこに未来はない』
- 2015/05/08
- 10:07

本屋開業準備中のkobaです。長田弘『ねこに未来はない』(角川文庫)まず、タイトルにドキッとしますよね。ねこに未来はない?どういうことでしょう?まさか、ねこはやがて滅びてしまうというのでしょうか?……そんなことはありません。どうやら、「ねこには前頭葉がないので、未来を知覚する能力がない」ということなのだそうです。なーんだ、そういうことか、と胸をなでおろします。ですが、ただそれだけのことで、こういったタイト...
朝吹真理子『きことわ』
- 2015/05/04
- 19:50

本屋開業準備中のkobaです。朝吹真理子『きことわ』(新潮文庫)。貴子(きこ)と永遠子(とわこ)。ふたりの少女は、かつて葉山の別荘で、同じ時間を過ごしました。25年後、思い出の別荘の解体をきっかけに、ふたりは再会。微妙に食い違う記憶をたどりながら、25年という月日をかみしめます。思い出、記憶、時間、空間、夢、現実……。そういった言葉の意味がだんだんとぼやけてきて、やがて混じり合います。大きな事件がとくに起きるわけ...
『口笛を吹きながら本を売る』
- 2015/05/03
- 08:51

本屋開業準備中のkobaです。石橋毅史『口笛を吹きながら本を売る』(晶文社)。岩波ブックセンターの代表、柴田信氏へのインタビューによって構成された本書。これまでの柴田氏の書店人生を追う、といった感じですが、氏の独特の言い回しや、飄々とした物言いで、なかなか簡単にはつかませてくれません(笑)伝わってくるのは、いかに「普通の」本屋であるか、ということ。カリスマ書店員や、個性的な書店が取り上げられ、「特別な」本...